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南北2.4km、東西16km、最大高低差90m---日本最大規模を誇る“鳥取砂丘”。
その成り立ちの歴史は、今から十万年前に遡るといわれています。
中国山地から流れ出た千代川が運ぶ砂と日本海の沿岸流が運んだ砂が風と波の力によって集まり、少しずつ、少しずつ、気の遠くなるような時間をかけて堆積してできたこの大砂丘は、まさに自然が創り出した偉大な造形なのです。


目の前に広がる砂の海。
あるときは豪快に、またあるときはおだやかに、
砂丘はその表情をかえる。
砂と風がおりなす壮大なパノラマは、
訪れる人々に圧倒的なスケールで迫ってくる。

砂丘探勝の拠点
 一般に鳥取砂丘といわれているのは、千代川河口の東方に広がる面積約五百四十五ヘクタールの浜坂砂丘を指します。
ここは、もっとも砂丘らしい景観が見られるところでもあり、また、バスなどの交通機関の発着場、レストランやみやげ店など、さまざまな観光施設が集中する砂丘観光の中心地です。
 年間百八十万人(平成六年度)をこえる人々が訪れ、とくに、観光シーズンの五月から十一月は、年間利用者の六十四パーセントを占めてます。

砂丘を歩こう
 この大砂丘の魅力を堪能するには、やはり歩くに限る。自然がつくりだす芸術作品ともいわれる美しい風紋や砂簾(されん)、砂丘独特の動植物など、自らの足で歩くことによって、砂丘はより多彩な魅力を見せてくれる。

砂の頂を目指す
 レストハウスやみやげ店が軒を連ねる鳥取砂丘駐車場裏が砂丘入口となっている。砂に足をとられながら斜面を登ると、日の前に砂の世界が広がる。陽光に光り輝く白い砂と、青い日本海のコントラストが素晴らしい。
 砂丘といえば、平坦な砂の原を想像しがちだが、意外に起伏があることに気づく。
 正面に見える馬の背状(通称)の小高い丘が、砂丘第二列と呼ばれる砂の頂で、高さ四十七.一メートル。登るのにひと苦労だが、ぜひチャレンジしてみよう。頂からは砂丘の広がりと雄大な日本海が一望できる。汗をかいた体に潮風が心地いい。
 砂丘の西方には、青い水をたたえた多鯰ケ池(たねがいけ)が見える。かつては日本海につづいていたが、砂丘によってせき止められてできたものだ。湖岸沿いに遊歩道が整備されており、春は二十世紀ナシの花を桃めながらハイキングが楽しめる。また、この池にまつわる伝説もあり、神秘的な雰囲気を漂わせている。

特殊な地形を知る
 鳥取砂丘の特徴の一つに、その形が似ていることからスリバチと呼ぱれる凹地が見られる。
昔は三十以上もあったとされるが、今では十ヵ所程度という。追後(おいご)スリパチ、合せヶ谷(あわせがたに)スリバチ、六児(むつご)スリバチなどがその代表的なもの。なかでも砂丘南側にある追後スリバチはもっとも大規模なスリバチだ。まるで噴火口のような趣で、もっとも深いところでは四十メートルにも達する。
 さらに砂丘を歩いて行くと、ところどころ赤土が露出した場所にでる。これは、約五万年前の火山活動で堆積した地層である。この火山灰層を境に、下部の砂丘を「古砂丘」、上部の砂丘を「新砂丘」と呼んでいる。

美しい風紋との出合い
 風が吹いた早朝、人影もまばらな砂丘に立つと、一面さざ波のような模様の風紋に出合える。足跡を残すのがためらわれるほどに美しい情景で、そこには、生きている砂丘があり、自然の息吹が感じられる。
 有島武郎(ありしまたけお)の歌碑の立つ広場を抜け、少し海側にでたところ、また、追後スリバチの周辺で比較的よく見られる。
 雨上がりの湿った砂丘や植物が繁茂しているようなところでは風紋は見られない。風紋ができるには、まず、砂を動かす適度な風が吹くこと、そして、砂丘上の砂がよく乾燥していること、また、砂が固結してないこと、さらに、砂粒の大きさが一定していることの四つの条件が整うことが必要である。

砂の色は何色?
 白砂青松といわれる鳥取砂丘も、よく見ると、ところによって砂の色にちがいがあるのに気づく。海辺に近いところの砂は白灰色に輝くが、内陸に入るにつれ、しだいに淡黄色から黄褐色へと変化する。砂の色はみな同じではないことがわかるだろう。


鳥取大砂丘1
漁火(いさりび)
7月から8月、沖合いを不夜城のように照らすイカ釣り船の漁火は、夏の夜の風物詩です。


鳥取大砂丘1
風紋
風と砂丘があやなすファンタジー。風紋は、「砂のさざ波」ともいわれ、風速5〜6mの風が乾いた砂丘を吹き抜けるときにできます。とくに、早朝や夕方の風紋は、素晴らしいの一語に尽きます。


鳥取大砂丘1
すりばち
その様が、擂鉢に似た、砂丘にみられる大きな凹地。合わせが谷スリバチ、追後スリバチなどがあり、最も深いところでは、40mにも達します。

たくましく全きる植物たち
 砂丘という特殊な環境に遠応した、さまざまな植物を観察しながら歩くのも楽しい。ハマゴウやネコノシタ、ハマベノギクなど砂丘植物と呼ばれる植物は十六種。
 春先から黄色い花をつけるハマニガナは秋まで見ることができる。ハマゴウの青紫色の美しい花、淡いピンク色が可憐なハマヒルガオなど、夏の訪れとともに砂丘はいちだんと賑やかになる。
 秋風が吹くころになると、ケカモノハシが大型の穂をだし、スリバチ周辺にハイネズが砂の上をはうように生育する。花をつける植物が少なくなる秋は、青紫色のハマベノギクやランに似た黄色い花をつけるウンランが、砂丘に彩りを添える。
 しかし、近年、外来植物が侵入して砂丘を草原化すると同時に砂丘植物をおびやかしはじめた。砂丘の復元をはかるため、除草作業がはじまっている。
 また、砂丘周辺では、ラッキョウの栽培も盛んで、十月下句ともなれば畑一面が赤紫色の花で埋まり見事な景観が展開する。

資料提供:(財)自然公園美化管理財団(C)   [砂丘情報室へ]

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